交通事故の慰謝料は精神的苦痛を補償するものですが、3種類しかないので「この精神的苦痛は慰謝料請求できるの?」という疑問を持つ人は多いです。 また、受けた苦痛の大きさから最大限高額な慰謝料を得たいと思う人も多いです。 1 交通事故の加害者の慰謝料について ⑴ 慰謝料とは. こして加害者の立場になった場合、行うべきことは次の4つです。 交通事故で補償される精神的苦痛と慰謝料. ただし、飼い主であるAがペットを繋ぎ留めないで外に出していたことについて、Aが飼い犬に対する管理責任を怠っていたと認め、AとBそれぞれに損害賠償を認め、過失相殺の結果、Aに11万8659円の支払いを命じることになりました。, 慰謝料を請求できるケースはまだまだあります。 害慰謝料は、原則として入通院期間を基礎として算出します。年収や収入は関係ありません。慰謝料は精神的な苦痛に対するものです。 まず、交通事故による損害は人身損害と物的損害に分けられ、さらに人身損害は財産的損害と精神的損害に区別されます。そして、精神的損害とは交通事故により生じた肉体的・精神的苦痛をいい、その精神的苦痛に対する賠償を「慰謝料」と呼びます。 日本の法律では、精神的苦痛を受けた場合、与えた人に対し「損害賠償請求」(慰謝料請求)ができます(民法第710条)。今回は、損害賠償請求(慰謝料請求)に値する精神的苦痛、精神的苦痛を理由に損害賠償が認められた事例等についてご説 … 精神的苦痛は個人差があり、大きさや重さを計ることは難しいです。とはいえ、意図しない交通事故によって被った精神的苦痛は、慰謝料として賠償を受けたいところです。 ョックを慰めるための賠償金として、慰謝料が必要となるのです。 Aは、ペットらをセラピー犬として飼っていたところ、事故によりぺットらが死傷したことに精神的ショックを受け、病院への通院日数が増えました。Aの精神状態が事故により悪化した事実を受け、裁判所は、Aの受けた精神的苦痛に対する慰謝料としては10万円が相当であると判断し、ペットの死傷に対する慰謝料を認めました。 こした本人が払うべきものであることはイメージできますが、ケガの度合によってはかなり高額の医療費がかかることもあるでしょう。交通事故は被害者、加害者に関係なくできれば当事者にはなりたくないもの。 交通事故に遭った時に、被害者は加害者に損害賠償金を請求します。一方で、事故の内容によっては、加害者も怪我を負う場合はあります。そういった場合、加害者も被害者に慰謝料を請求できるのでしょうか?ここでは加害者の慰謝料についてご説明を致しま … ただし、交通事故に遭った妊婦すべてが流産するという法則はありませんので、慰謝料が認められるためには、交通事故により流産となったことが医学的に証明されることが必要となります。 弁護士に相談すれば、そのような疑問を解決することができます。また、弁護士は慰謝料の適正な額を引き出す交渉もしてくれます。 精神的苦痛の大きさは人それぞれなので,金銭に換算することは難しいですが,裁判所はある程度の相場を設けています。 東京地方裁判所では,日弁連交通事故センター東京支部の作成した,いわゆる赤い本に従って慰謝料を計算することが多いです。 物損事故では、人身事故と比べ精神的苦痛が軽微であると考えられるため慰謝料は認められないことがほとんどです。, ペットは人の愛情の対象です。しかし、法律上ペットは物という扱いですので、愛車のケースと同様に物損事故という扱いになります。そのため、原則的に慰謝料は認められません。 アトム法律事務所弁護士法人代表 岡野武志(第二東京弁護士会), 必ずしも中絶の必要はなかったが、事故やその後の治療が胎児に影響する可能性を考え、中絶を, 交通事故により、被害者に高次脳機能障害や精神的障害が残り、婚約者とうまく関係を継続できなくなった, 被害者が痛みやしびれに人一倍敏感で、一般的な人なら治ったと判断する状態でもなお、症状を強く感じると主張する. 婚約の破談による精神的苦痛の賠償も、通常の慰謝料ではカバーすることはできませんので、慰謝料の増額で対応することになります。 交通事故に遭った場合、自動車の修理費や怪我の治療費等、様々な出費があります。 被害者であれば、それらの賠償を受けることができますが、それに加えて、精神的苦痛に対する慰謝料も受け取ることができます。 交通事故に遭い、痛みは身体だけではありません。精神的苦痛は大きく、心の苦しみを癒すのは簡単なことではありません。このページでは人体への損害や精神的苦痛という損害に対して請求できる慰謝料や損害賠償、慰謝料が増額となるケースについて詳しく解説しております。 交通事故によって被害を受けた場合・精神的苦痛を受けた場合は、加害者から謝ってもらうことよりも、「1円でも多く賠償金を勝ち取る」という目的一つにしぼることが最も重要なのです。 そして、何をもって精神的苦痛というのかその判断は様々です。 因果関係を判断するためには、母体の受傷部位・受傷直後の子宮からの出血等異常所見の有無・妊娠してからの経過期間・母体の年齢や出産経験等、医師の意見等いろいろな事情を総合します。 後ストレス障害)やうつ病などがあげられる。 もちろん、すべての交通事故がトラウマとなるわけではない。軽度の接触事故などでは精神的反応が小さく、後遺症なども見られないことが多い。 冒頭でも述べたように、交通事故の加害者は被害者に対して、損害賠償の支払いを行わなければいけません。損害賠償とは、交通事故によって被害者が負った様々な損害の埋め合わせを、加害者の保険会社または加害者本人が行うことです。 加害者が被害者に支払うべき損害賠償は、以下の3つ。 1. 積極損害 2. 消極損害 3. 慰謝料 交通事故でひどい目にあったから、相応の慰謝料を補償してほしいというのは、どの被害者にも共通するニーズといえます。 しかし、ひとくちに慰謝料といっても、慰謝料には種類とそれに応じた計算方法があるのです。必ずしも被害者の精神的苦痛の度合 … 実際に事故に遭ったときには、「自分のケースは慰謝料を請求できるのだろうか?」「慰謝料の適正な額ってどれくらいなのか?」等の疑問が出てくると思います。 被害者であれば、それらの賠償を受けることができますが、それに加えて、精神的苦痛に対する慰謝料も受け取ることができます。 しかし、ペットが亡くなったことによる精神的苦痛に対する慰謝料を認めた、次のような裁 判例があります。, 横断歩道上で被害者のペットと被控訴人Bの運転する乗用車が衝突し、ペット2匹(パピヨン犬、シーズー犬)が死傷したため、控訴人AがBに慰謝料を含む損害賠償を請求した事案です。 交通事故に遭うと、加害者側から見舞金を受け取ることがあります。その見舞金について、詳しく解説しています。見舞金とは?賠償金に含まれる?見舞金を受け取るデメリットは?見舞金の受け取りは拒否できる?などの疑問について、解説して … 交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料が存在し、傷害や後遺症の程度に応じて慰謝料が支払われます。, 慰謝料とは、事故による肉体的・精神的苦痛に対する賠償のことをいいます 。 費用など、実際に出費が発生する損害です。 消極損害とは、休業損害や逸失利益など、実際には支払いが発生しな … こすと加害者であっても被害者であっても大きなストレスを受けます。 怪我などの身体的苦痛はもちろんのことです。後遺障害が残ればなおさらのことです。 精神的な苦痛を受けたときに、その原因を作った相手に請求できるお金が慰謝料なのです。 慰謝料を払ってもらえる事故・払ってもらえない事故. ¡ã‚‰ã›ã¦ã—まったりするものです。しかし、交通事故で最優先すべきは被害者の安全です。被害を最小限にとどめ、せめてもの義務を果たすことが加害者の責任と言え … 増額金額には明確な基準はなく、胎児の月齢や流産が妊婦の身体に与えた影響の程度等を考慮して、入通院慰謝料額に上乗せして決定されます。, 車を運転中の被害者が、自分の走行する車線に飛び出してきた加害者の運転する車と衝突して負傷し、妊娠18週目の胎児を流産したとして、流産に対する慰謝料を含む損害賠償を請求した事案です。, 主な争点は、休業損害と胎児死亡慰謝料でした。 慰謝料とは、被害者の精神的苦痛に対する補償のことです。 交通事故の場合は慰謝料が3種類あり、それぞれどのような精神的苦痛を補償するのか決まっています。まずは、それらについて見ていきま … 士基準での請求の仕方について、わかりやすく説明します。 しない、誠意がない、謝罪がないなど)場合に、慰謝料を増額させることは可能なのかということについて、事例も交えながら解説しています。 加害者の不誠実な対応で精神的被害を受けることがあります。 新しい家族の誕生を心待ちにしていた家族の流産に対する精神的苦痛は計り知れません。そして、流産した場合の賠償は、通常の入通院慰謝料や後遺障害慰謝料では賄えませんので、慰謝料を増額することで対応します。 第二東京弁護士会所属。交通事故に遭ってしまったらまず何をすれば良いのか、また今後どうなっていくのかご存じの方は少ないのが現状です。「交通事故解決ナビ」では、交通事故に遭った直後に行うべきことや入院・通院中に起こる出来事、保険会社との示談交渉や慰謝料の解決方法を詳しく解説しています。アトム法律事務所では、全国24時間、無料相談窓口を設けておりますので、お困りごとがあればいつでもご連絡ください。早い段階からしっかりと対策を立てていきましょう。, 新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。, 交通事故の被害者の方が受けた精神的苦痛は、3種類の慰謝料によって補償されます。しかし、被害者の方が交通事故によって受ける精神的苦痛は実に多種多様です。そのため、慰謝料に関する解説を読んだときに、「自分のこんな精神的苦痛は慰謝料の対象外なの?」「この精神的苦痛はどの慰謝料に該当するの?」という疑問を抱く方も多いでしょう。そこでこの記事では、交通事故で被害者の方が受ける様々な精神的苦痛について一つずつ解説していきます。合わせて慰謝料の計算方法などについてもご紹介しますので、最後までご覧くださいね。, 慰謝料とは、被害者の精神的苦痛に対する補償のことです。交通事故の場合は慰謝料が3種類あり、それぞれどのような精神的苦痛を補償するのか決まっています。まずは、それらについて見ていきましょう。, まず、交通事故による入通院・治療で受けた精神的苦痛に対する補償として、「入通院慰謝料」があります。交通事故によってケガをした場合に請求できることから、「傷害慰謝料」と呼ばれることもあります。入通院・治療で受けた精神的苦痛には、たとえば次のものがあります。, 入通院慰謝料は、このような精神的苦痛を補償するものなのです。なお、何度も手術を繰り返した、麻酔ができない状態で手術をした、危険な状態であったなど、被害者の苦痛がことさらに大きいと判断された場合は、入通院慰謝料が増額される可能性があります。, (略)手術を受けたものの、左下肢の軟部組織の著しい欠損により感染の危険が高く、長期間にわたる入院を要したほか、骨癒合にも長期間を要する中で骨髄炎を発症し、再度入院加療を要したことなどから、傷害分360万円を認めた。(事故日平21.6.24 名古屋地裁平25.8.5 自保ジ1910・131), 交通事故によって後遺障害が残ったことで生じる精神的苦痛は、「後遺障害慰謝料」によって補償されます。後遺障害が残ったことで生じる精神的苦痛とは、たとえば以下のものがあります。, こうした精神的苦痛は、後遺障害慰謝料を通して補償されるのです。なお、「後遺障害」と「後遺症」の違いについて気になっている方もいるでしょうから、ここでご説明いたします。「後遺障害」とは、交通事故による後遺症のうち、「後遺障害等級」が認定されたもののことを指します。そのため、たとえ交通事故で後遺症が残っても、後遺障害等級が認定されなければ後遺障害慰謝料は請求できません。後遺障害等級の認定を受けるためには、「自賠責損害保険料率算出機構」という機関で審査を受ける必要があります。具体的な流れやポイントについては、『交通事故の後遺障害等級認定|申請手続きや認定される症状、認定のポイントを解説』でご説明しています。, 交通事故により被害者が死亡した場合の精神的苦痛に対しては、「死亡慰謝料」が支払われます。死亡慰謝料によって補償される精神的苦痛には、たとえば次のものがあります。, 上記の例をご覧いただいてもわかる通り、死亡慰謝料では被害者本人だけではなく、そのご遺族の精神的苦痛も補償されます。ここで言うご遺族とは本来、被害者の親(養父母含む)、妻または夫、子(養子含む)を指します。ただし、内縁の妻または夫、兄弟姉妹などでも、死亡慰謝料の対象となる場合があります。なお、被害者が結婚直前・直後だった、長年の夢をかなえたばかりだったなどの事情から、無念さがことさら大きいと判断されれば、死亡慰謝料が増額される可能性があります。, 単身者(男・31歳・会社員)につき、希望していた鉄道会社に就職後、車掌として真面目に勤務していたこと、父母思いの優しい息子であり、結婚を誓っていた交際相手もいたことなどから、2800万円を認めた(事故日平20.1.20 東京高判平22.10.28 判タ1345・213), 交通事故の慰謝料によって補償される主な精神的苦痛は、上記のとおりです。しかし実際には、他にもさまざまな精神的苦痛を感じるでしょう。上記以外の精神苦痛に対して特定の慰謝料はありませんが、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の増額につながることはあります。主なものを見ていきましょう。, こうした加害者の態度によって精神的苦痛を受けた場合には、慰謝料を増額させられる可能性があります。, 被害者(男・9歳)につき、加害者は朝まで量が分からないくらい飲酒し、事故後救護せずコンビニで強力な口臭消しを購入し、衝突まで全く被害者に気がついていなかったにもかかわらず捜査段階ではこれを隠す供述をし、父母が事故後心療内科に通院したことから、基準額の3割増しを相当とし、本人分2750万円、父母各250万円、合計3250万円を認めた(事故日平16.12.2 大阪地判平20.9.26 自保ジ1784・15), すでにお伝えしたように、死亡慰謝料では被害者のご遺族の精神的苦痛も補償されます。しかし、死亡事故でなくても被害者のご家族が強い精神的苦痛を受けることは、十分考えられます。特に以下のような場合には、ご家族の精神的苦痛を考慮して、後遺障害慰謝料が増額される可能性があります。, 脳挫傷後の後遺障害(1級1号)の中学生(女・固定時15歳)につき、(略)本人分2800万円、子の将来の成長への楽しみを奪われ将来に不安を抱きながら介護する生活を余儀なくされた父母各500万円、後遺傷害分合計3800万円を認めた(事故日平15.8.7 金沢地判平18.10.11 自保ジ1705・2), また、あらかじめご遺族に対する補償も含まれている死亡慰謝料でも、以下のような場合はさらに金額が増額される可能性があります。, 小学生(女・7歳)につき、加害者が疲労と飲酒の影響による仮睡状態であったことを考慮して、本人分2300万円、父母各250万円、事故時集団登校しており妹の死を目の当たりにした]兄2人各150万円、合計3100万円を認めた(事故日平12.11.28 盛岡地二戸支判平17.3.22 判タ1216・236), 単身者の姉妹(女・21歳・会社員、女・19歳・アルバイト)につき、両親が2人しかいない我が子を一度に失ったこと、はみだし通行禁止場所において高速度での追い越しをしようとした加害者の危険な運転態様等を総合し、本人分各2200万円、父母各600万円、被害者1人あたり合計2800万円を認めた(事故日平19.10.6 秋田地判平22.9.9 自保ジ1840・75), このようなときは、妊婦さんの入通院慰謝料が増額されます。妊娠後期であるほど精神的にも身体的にも負担が大きいと考えられることから、金額が大きくなります。なおこの場合、父親も精神的苦痛を受けると考えられますが、父親に対して慰謝料が認められるかどうかは、示談交渉や裁判次第です。, 上記のような理由から結婚が破談になったケースでも、慰謝料の増額が認められる可能性があります。ただしこの場合は、交通事故と破談の因果関係が証明できるかどうかが重要です。交通事故が破談の原因であると証明し、慰謝料を増額させるのは難しいのが実情です。, 上記のような事情で仕事を辞めざるを得なくなった場合には、後遺障害慰謝料が増額される可能性があります。また、交通事故によって失職した場合は、次の職業が見つかるまでの期間、もしくは次の職業が見つかるまでの期間として妥当な期間、休業損害が支払われる場合もあります。詳しくは、弁護士に相談することをおすすめします。, 学生の場合、交通事故によって長期間入院・治療をしていた結果、留年してしまうこともあるでしょう。このような場合、被害者は友人に後れを取ってしまった点、下の学年の子どもたちに溶け込まなければならない点などについて、精神的苦痛を感じるでしょう。こうしたことから、交通事故を理由に留年した場合には、慰謝料を増額させられる可能性があります。なお、留年によって余計に必要になった教科書代や学費、下宿代、塾や家庭教師の費用なども、加害者側に請求できます。, 事故のため1年間留年した大学生につき、学費97案円余及び1年分のアパート賃借料55万円余を認めた(岡山地判平9.5.29 交民30・3・796), (略)大学生(男・事故時33歳)につき、秋学期の欠席はやむを得ないとし、支払った大学授業料83万円余を認めた(東京地判平22.10.13 交民43・5・1287), 交通事故によって長期間の入院や治療が必要になった結果、得ていた内定が取り消されたり、就職が遅れてしまったりすることもあります。こうした場合もまた、慰謝料を増額させられる可能性があります。また、交通事故によって失職した場合と同様、一定の期間に対して休業損害が支払われる可能性もあります。, 就職が内定していた修士課程後期在学生(男・事故時27歳)につき、事故により就職内定が取り消され症状固定まで就業できなかった場合に、就職予定日から症状固定まで2年6カ月余の間、就職内定先からの回答による給与推定額を基礎に、955万円余を認めた(名古屋地判平14.9.20 交民35・5・1225), 交通事故によって受ける精神的苦痛には、次のような、物損に関するものもあるでしょう。, 上記のような場合、非常にショックを受けるでしょう。しかし残念ながら、こうした「物損」に関しては、壊れたものの代金が支払われるだけで慰謝料は原則支払われません。この場合ペットが受けた被害も「物損」に分類されますので、もし交通事故によってペットが死傷しても、基本的には慰謝料請求はできません。, 交通事故による精神的苦痛の程度は主観的なものであり、自分しか分かりませんよね。そのため慰謝料額は、定められた計算式・方法にのっとって計算されます。ではここからは、交通事故の慰謝料の相場額や計算方法を確認していきましょう。, 交通事故の慰謝料には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準という3種類の算定基準があります。どの基準を用いるかによって計算方法や金額が異なりますので、まずは算定基準について解説していきますね。, 交通事故の慰謝料金額は、基本的に加害者側の任意保険会社との示談交渉により決まります。任意保険基準は、その際に加害者側の任意保険会社が提示してくる金額なのです。しかし任意保険基準の金額は、過去の裁判例に基づいた弁護士基準の金額のわずか半分~3分の1程度でしかありません。そのため示談交渉では、加害者側の任意保険会社の提示額を増額できるよう、対策を練る必要があります。, ここからは各慰謝料の計算方法をご紹介していきますが、手軽に相場額を知りたい場合は、以下の慰謝料計算機をご利用ください。なお、こちらの計算機で確認できるのは、弁護士基準の慰謝料額です。, まずは、入通院慰謝料の計算方法をご紹介します。なお、任意保険基準については各保険会社ごとに異なり非公開なので、ここでは割愛します。, 弁護士基準の場合は、「入通院慰謝料算定表」という表を用いて金額を算定します。入通院慰謝料算定表には軽傷用と重傷用とがあります。むちうちをはじめ、レントゲンやMRIで異常を確認できないケガについては軽傷用、それ以外については重傷用を用います。, 入院日数や通院期間に端数がある場合の計算例は、『【2020年最新】交通事故の慰謝料|示談金の相場や計算方法など徹底解説』でご紹介しています。, 続いて、後遺障害慰謝料です。後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級ごとに決められていますので、まとめた表をご紹介します。任意保険基準については、入通院慰謝料の場合と同様、割愛します。, 最後に、死亡慰謝料です。死亡慰謝料についても、任意保険基準については各保険会社ごとに異なり非公開なので、割愛します。, 400万円*+ご遺族の人数・扶養の有無に応じた金額*2020年3月31日以前の交通事故については350万円, 弁護士基準の場合は、以下の金額に被害者本人分とご遺族分が含まれています。なお、上記の金額は扶養家族3人を想定したものなので、扶養家族が4人以上いる場合には、増額される可能性があります。, 慰謝料は交通事故によって被った精神的苦痛を補償するものです。交通事故にあい怖い思いや痛い思い、不安な思いなどをしたからには、しっかりと請求していきたいですよね。しかし慰謝料請求は、きちんとポイントをおさえたうえで行わなければ、納得のいく金額が得られない可能性が高いです。そこでここからは、慰謝料請求をするときの注意点を3つ解説していきます。, まずは、交通事故の慰謝料請求の流れをおさえることが大切です。それぞれの段階で注意すべきポイントについてもご紹介していきますので、確認してくださいね。なお、死亡事故については、ご遺族から選ばれた「相続人」が慰謝料請求をしていきます。相続人の決め方や死亡事故でご遺族がすべき対応については『交通事故で被害者家族が慰謝料請求できる3ケース|金額・請求方法も解説!』を合わせてご確認ください。, 示談交渉は、加害者側の任意保険会社から「示談案」が届くことで始まります。示談案には、加害者側の任意保険会社が提示する慰謝料・損害賠償額や過失割合*が記載されています。*過失割合:交通事故が起きた責任が、加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるかを割合で示したもの。被害者側にも過失割合が付くと、その分慰謝料・損害賠償金が減額される。, 示談交渉が始められるのは、交通事故による損害がすべて確定してからです。それより前に示談交渉を始めると、後から発生した損害に対する賠償を受けられない可能性があります。もし以下の段階に達する前に加害者側の任意保険会社から示談案が届いたら、もう少し示談交渉開始を待つよう伝えましょう。, 示談交渉を開始するタイミングについては、『交通事故の示談交渉はいつ開始する?示談金がもらえるタイミングや示談の流れは?』でより詳細に解説しています。, 加害者側の任意保険会社が提示してくる慰謝料・損害賠償額や過失割合は、加害者側に有利になるよう決められている傾向にあります。そのため、たとえ加害者側の任意保険会社が提示内容の正当性を説明してきたとしても、すぐに鵜呑みにするのではなく、一度弁護士に確認してもらうことが大切です。, お伝えしたように、初めに加害者側の任意保険会社が提示してくる慰謝料・損害賠償額や過失割合は、被害者にとって不利なものであることが多いです。そのため、提示内容について交渉をします。これが示談交渉です。ここでどれだけ被害者側の望む内容に変更させられるかが、非常に重要です。, この際、被害者自身で加害者側の任意保険会社を説得し、満足のいく慰謝料・賠償額や過失割合に変更させることは非常に難しいです。加害者側の任意保険会社から見れば被害者は素人同然であるため、被害者の主張を十分に聞き入れることは少ないのです。そのため、示談交渉は弁護士を立てて行うことがおすすめです。, 示談が成立すると、加害者側の任意保険会社から示談書が届きます。内容を確認し、問題なければ署名・捺印をして返送しましょう。, 示談書に署名・捺印をしたら、原則としてその後に追加で損害賠償請求をしたり、示談書の内容を撤回したりすることはできません。署名・捺印をしたら基本的にはもう後戻りはできないということを心得て、慎重に示談書の内容を確認しましょう。一応合意はしたものの引っかかる点がある、示談書の内容に疑問点がある場合は示談書に署名・捺印をせず、弁護士にご相談ください。, 例外的に、示談書に署名・捺印した場合でも、あとから追加の損害賠償請求をしたり、合意内容を撤回したりできることがあります。署名・捺印後に問題が発覚した場合は、弁護士にご相談ください。なお、詳細については『示談成立後、交通事故慰謝料はいつ振り込まれる?撤回や再請求は可能?』でも解説しています。, 示談書を返送すると、およそ2週間後に慰謝料・損害賠償金が指定の口座に振り込まれます。, この記事ではすでに、交通事故の慰謝料が増額される場合について解説しました。しかし一方で、慰謝料が減額される場合もありますので、注意しましょう。慰謝料が減額される主なケースには、次のものがあります。, 被害者にも過失割合が付くとその分、慰謝料・損害賠償額が減額されることは、すでにお話ししたとおりです。被害者に2割の過失割合が付いたとすれば、2割、受け取れる慰謝料・損害賠償額が減るということです。さらに加害者側から損害賠償請求をされていた場合は、被害者も請求された金額の2割を支払わなければなりません。そのため、実質受け取れる慰謝料・損害賠償額はさらに少なくなります。これを過失相殺といいます。, 上記の過失相殺の結果、被害者は加害者から400万円を受け取り、加害者に対して20万円支払うことになります。そのため、実質的には380万円しか獲得できないのです。過失割合の決め方については『交通事故の過失割合|事故タイプ別事例集と保険会社との示談交渉で失敗しないコツ』で解説しています。, 素因減額とは、「被害者がもともと持っていた素因によって、被害が拡大した」と考えられる場合に、その分慰謝料・損害賠償金を減額することです。素因減額には、身体的素因減額と心因的素因減額があります。たとえば身体的素因減額は、以下のような場合に適用される可能性があります。, 上記のような場合、被害者が受けた被害の全責任を加害者が持つのは公平ではありません。そのため、慰謝料や損害賠償金が減額されるのです。, 損益相殺とは、被害者がすでに別経路で、慰謝料や損害賠償金に該当するお金を受け取っていた場合に、その金額分加害者側から支払われる慰謝料・損害賠償金を減額することです。次のような場合は、損益相殺が適用されます。, 上記の場合、加害者側が支払うお金が減ってしまい、加害者側が得することになるのでは?と思うかもしれません。しかしご安心ください。被害者が事前に上記の機関・保険会社から受け取った金額は、それぞれの機関・保険会社から加害者側保険会社にに請求されます。そのため、結果的に加害者側が支払う金額は、損益相殺がない場合と同じなのです。, 交通事故の慰謝料は、基本的に非課税です。死亡慰謝料についても、原則相続税はかかりません。ただし、示談成立後に被害者が亡くなられた場合は、相続税が発生しますのでご注意ください。, ここまで、慰謝料の概要や計算方法、増額・減額について解説してきましたが、より高額な慰謝料を得るのであれば、弁護士に示談交渉を依頼することが重要です。その理由をご紹介していきますね。なお、弁護士の介入を受けるメリットは『交通事故で弁護士介入が必要な6ケースとは?相談のタイミングや弁護士の選び方も解説』でも解説しています。迷っている場合はこちらもご覧くださいね。, 示談交渉を弁護士に依頼した方が慰謝料が高額になりやすい理由として、まず「弁護士基準の金額を主張できるから」というものがあります。弁護士基準はすでにお伝えしたとおり、過去の裁判例に基づいた相場金額です。これは、加害者側の任意保険会社が提示してくる任意保険基準より、2倍~3倍も高額です。当然、被害者にとっては弁護士基準の金額を獲得することが最も望ましいのですが、これは金額が高額であることから、専門家である弁護士でないと主張が難しいのです。たとえ被害者が弁護士基準の金額を主張しても、専門家ではないため根拠に乏しいとして、聞き入れられない可能性が非常に高いです。, 弁護士が示談交渉を行うと、加害者側の任意保険会社の提示額を増額させたり、事情に応じて慰謝料をさらに増額させたりできる可能性が高まります。弁護士は法律の専門家であり示談交渉のプロなので、弁護士が出てくると加害者側の任意保険会社の態度が軟化する傾向にあるからです。, 弁護士なら、加害者側が主張する過失割合や素因減額などの正当性について判断できるため、過失相殺や素因減額で必要以上に慰謝料が減額されることを防げます。特に身体的素因減額については、本当に減額するべきか、どの程度減額すべきかについて見解が分かれることも多いため、専門家に相談することが大切です。, 弁護士への相談・依頼を検討するときに不安を感じるのが、弁護士費用でしょう。しかし、弁護士費用の負担は減らすことができます。その方法をご紹介しますね。, 弁護士費用特約とは、被害者加入の任意保険会社に弁護士費用を負担してもらえる制度です。, 弁護士費用特約については、『交通事故の弁護士費用特約|加入なしでも大丈夫?利用方法とメリット&デメリット』で解説していますので、ぜひご確認くださいね。, 弁護士費用は相談料・着手金・成功報酬から構成されていますが、交通事故被害者の方にとってネックになりやすいのは、相談料と着手金です。相談料と着手金は、加害者社側から慰謝料・損害賠償金を受け取るより前に支払わなければならないからです。しかし、相談料・着手金無料の法律事務所なら、慰謝料・損害賠償金獲得前で大きなお金を用意できなくても安心です。, 弁護士に慰謝料に関する相談・依頼をする場合には、ぜひアトム法律事務所もご検討ください。, 高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。, 交通事故の診断書は警察に提出しないと慰謝料減額?全治日数の記載は気にしなくてもいい, 突然生じる事故や事件に、地元の弁護士が即座に対応することでご相談者と社会に安心と希望を提供したい。, © 2016 - Takeshi Okano